西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
第104回

西の湖宝さがし<その1>

2004年4月15日 菱川貞義

 今年も2月11日にヨシ刈りボランティアのオープニングイベント「西の湖宝さがし」が開催されました。ここ数年、ヨシ刈りのときは雪や大雨で中止になったりすることもあったのですが、この日は快晴となりました。

 今年は主催者が用意してくれていた安土駅と会場を結ぶシャトルバスに乗せてもらったのですが、これは便利でした。そのとき運転手さんが気になることをいいました。

 あんまり若い人は乗ってないようやな。ヨシ刈り体験は若い子もやりたい気持ちはあるが、プライベートな時間を割いてまで、というのはなかなか…。イベントをもっとおもしろくして若者をひっぱるようなことをしたらどうやろ。学校も子どもを校外へ出すのは動物園とかワンパターンしかないのだから、学校を巻き込むような取り組みもいいんやろうけど、学校は子どものケガが恐いからようせんのやろう…

 そんな話を聞いているうちに、バスは5分ほどで会場に着きました。まだ10時になっていませんでしたが、会場ではすでにたくさんの参加者がヨシ刈りをしていました。

 受付で参加者を案内しているのは大林さんと堤さんです。

 ここで鎌を貸していただき、さあ、太陽もサンサンとふりそそいでいるし、思いっきり刈るぞ!

 刈ったことのある人はみなさん経験しているのですが、枯れたヨシを刈るときの音がなんとも軽やかなんです。なんだか音楽ができそうな感じで、もっともっと刈りたくなってしまいます。運転手さんは「もっとおもしろく」といってましたが、これは十分おもしろいのです。

 外国からもたくさん参加されていて、ヨシ刈りも国際的になってきました。

 ヨシ博物館副館長の尾崎さんと宮角さんも顔をそろえています。

 はやい!はやい!今年は約200名もの参加者があったためか、30分もしないうちに参加者がもうあんな遠くで刈っています。

 竹田さんがテレビインタビューを受け、奥田さんが南風子さんとヨシペンについて論議を交わしています。

 ヨシ刈りイベントにはどんなメッセージがこめられているのでしょうか?チラシにはこんなメッセージがありました。

 ヨシは、成長の過程で水中のチッソやリンを吸収して水を綺麗にするはたらきがあります。同時に二酸化炭素を吸収して、地球温暖化の防止にも役立っている植物です。このヨシは、刈り取ってヨシ原から外へ出してやることによってそのはたらきを全うすることができます。

 ヨシは、3月の新芽から3ヶ月余りの短い期間で4メートル以上にまで成長することや浄化作用から、けがれを祓う茅の輪や破魔矢にも活用されてきました。

 先人達の知恵やくふうを考えながら、西の湖の宝ものをさがしてみませんか?

 1時間もたたないうちに、もうすっかり見晴らしがよくなってしまいました。ひろいヨシ原で何やら参加者どうし語り合っています。

 ヨシのふしぎな魅力を感じながら、いろんなことを考えたり、話し合ったり、ただぼんやりとヨシ原を眺めたり…

 予定されていたヨシ原を刈り終わると昼食です。参加者はマイカップ、マイトレー、マイお箸をもって…

 慣れた手つきで焼きそばをつくっているのは、重野さんでした。

(つづく)