西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第121回

ヨシ舟による淀川下り〜西の湖から琵琶湖、淀川へ〜

2004年12月23日 菱川貞義

 10月10日の御堂筋パレードが無事、終わり、ほっとする間もなく、同じ月の27日(水)には、ヨシ舟をつくってきた者たちがかねてより希望していた、淀川下りの出発式が行われました。この日、ヨシ舟は安土を出発して、近江八幡へ寄って、瀬田川洗堰まで航行します。

 ただ残念ながら、台風23号の影響で瀬田川の航行は不能になりました。

 しかし、当日の安土町出発式は、風は強いものの空は晴れわたりました。

(丹波さん)
 このヨシ舟下りは最初のきっかけでございますんで、琵琶湖、淀川の水の縁をつないで、ほんとうに美しい緑あふれる国土、そしてそこからもたらされる恵みとしての水、これを大切に守っていきたいと思っております。

 いよいよヨシ舟の出航です。舟にはヨシ博士と丹波さん、そして奥田修三さんが乗船します。

 その後、ヨシ舟は順調に近江八幡に到着しました。

(西川さん)
 今朝8時半、安土町のやすらぎホールの横から、安土町会場の出発式を行いました。そして、わたしと丹波さん、奥田修三さんの3人が決死隊として、試し乗りということで、豊浦港からここ(近江八幡)まで、強烈な向かい風をもろともせず突き進んで参りました。乗り心地は満点で、ひじょうに安定していまして、この先、淀川まで無事辿り着くことは間違いないだろうと確信いたしました。

 そして、ここ近江八幡会場で、また多くの方々に応援をいただいて、われわれの念願であったヨシ舟による淀川下りをぜひ成功させたいと思っております。

 その後、琵琶湖から瀬田川洗堰のびわこ出発式会場に着きました。ヨシ博士も余裕のコメントです。

(西川さん)
 ヨシ舟はスイスイと滑るがごとくの頼もしさで、このあと、京都、大阪へ行きますが、わたしの経験からして、この舟の安定ぶりからしますと、無事、成功裏にヨシ舟は最後まで、分解、沈没せず、到達できるものだと確信しております。

 西川会長の話を聞いているメンバーの方の表情からも余裕が感じられます。

 ヨシ博士の挨拶のあと、國松知事もご挨拶されました。

(國松知事)
 今日こうしてですね、ヨシ舟で琵琶湖・淀川を下ろうという、このイベント、

ちょっと最初は信じられなかったんですが。もっといえば、疑っていたんですが。

 21世紀に入って、ヨシで舟を造り、かつ琵琶湖を瀬田川を淀川を下ろうという、その心意気、そしてヨシ舟に乗っていただいた西川先生や丹波先生やらの年齢をみますと、なお勇気がでます。無事、淀川まで辿り着いていただきまして、多くのみなさんに、驚きと、そして学びを提供していただきたい。

 さらに、ここにあるヨシ舟の何十倍もの大きな船でアラビア海を航海されました、鈴木公さんです。

(鈴木さん)
 ヨシを束ねてロープをかけたら、どんなにたくましい舟になるか、これはすばらしいことだと思うんですね。人間もそうなんでしょう。一人ひとりは勝手気ままなことをいってますけど、ひとつ目的がきちんとわかり、心ひとつにすれば、いろいろなことができるんだ、ということじゃないんでしょうか。これはほんとうにすばらしいことだと思うんです。

 続いて、大蔵流の狂言師、木村正雄先生の三番叟が披露されました。

(丹波さん)
 われわれの活動を、発足当初から陰になり日なたになり支えていただきました、大蔵流の狂言師、重要無形文化財保持者の木村正雄先生の三番叟をはなむけに踊っていただきましたことを、まことにありがたく、厚く御礼を申しあげます。

 これから、おいしい水を飲もう、と訴えながら仲間づくりをしていこうと思います。では、行って参ります。

(つづく)