大谷利男さん
住民活動促進委員会
委員長(野洲町)

 
第1回 野洲町の住民活動の現状(その1)
2003年3月6日 畑佐 実
 いよいよ野洲町の住民活動の促進を目指した「ほほえみネットワーク野洲」がスタートしました。〈住民活動促進委員会〉は野洲町の住民19名で構成され、野洲町の住民活動のなかでも中心的な役割を担っていくことを期待されています。2003年2月3日、住民活動促進委員会の委員長を務める大谷利男さんを訪ねました。
 委員長の大谷利男さんは、野洲町で住民活動をしている人たちの間では知らない人がいないくらい有名な人物です。〈住民活動促進委員会〉だけでなく、様々な住民活動に積極的に取り組んでおられます。実によく動き、よく喋る大谷さんは、あちこちの集会でひときわ目立っていて、まさに“住民活動の応援団長”といった活躍です。
─── 野洲町の住民活動の現状をどのように把握していますか?また今抱えている問題点をお聞きしたいのですが。

 まず住民活動の現状についてですが、私自身まだ十分に把握しきれていないと思っています。けれども昨年、住民活動を行っている団体や自治会のヒアリングとアンケート調査を行ったんです。積極的な取り組みをしている団体と、あまり活発でない団体と住民活動に格差がありました。だけど積極的に活動している団体は非常に目立っていて地道であり、それなりの成果を上げていることが感じられましたよ。その調査やヒアリングをやったこと自体大変良かったと思います。そのなかで地域が持っている問題点、住民の意識もわかってきましたから。

約200の住民団体のデータとまちづくりのヒントが収録されている。
 例えば各地区の代表の方の所にも行ったんです。それぞれの地域が抱えている問題というのが、非常に鮮明に見えてきましたね。地域それぞれの特色がよくわかりました。例えば国道8号線に沿った地域では、頻繁に自動車が通るということで、振動や騒音、駐車場の問題があげられます。防災が問題になっている地域もありました。消防団が昔のようなカタチで結成できないこと。

 それぞれ勤めがあるとか、女性で結成してもそれがまた不十分であるとか、それらのことがひとつの障害になっていて、防災面での懸念を持っている。また農業用地の改良に積極的な取り組みをして、それなりの成果を上げている地域もあります。このような地域の特色を知ることができたことについては、非常に良い体験ができたと思います。

 それから、活動そのものを自ら楽しんでおられる団体があれば、対外的にボランティア活動を熱心にやっておられる団体もありました。これは非常に良いことで、文化の向上や福祉の増進に役立っていますよ。例えば、各学校や保育園、幼稚園の子どもを対象に“おはなし”をして、子どもの心育てに役立っている団体があります。子どもたちと関わっている面では、文化やスポーツで活躍している団体は実績があるなあと感じました。それに女性のグループはジェンダーの問題を真剣に考えていてより良い方向にもっていこうと研究とともに実践をされていますし、また高齢者の団体はもっと元気を出していこうと活躍しています。それぞれ活躍する方向性というのも違いますけど、非常に良い方向に向かって自主的な活動をやってる団体がいくつかありましたよ。

 まだまだ十分把握しきれていないと思いますけどね。ちょっと関わっただけでも野洲町にいろんな団体や活動している人たちがいるということがはっきりわかりました。これらの人たちがエネルギーになってほしいですね。よく使われる言葉に“活性化”というのがあるけど、「活性化、活性化。」と言うだけでは活性化しませんよ。地道に動いていく人がいてこそ活性化していくと思うんですよ。そういう動きでもって渦を巻くというのかな、何かを動かしていきたい、そんな思いを持ってます。
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