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大谷利男さん 住民活動促進委員会 委員長(野洲町) |
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第10回 イメージをプラス指向に | ![]() |
2003年6月5日 畑佐 実 |
〈広報やす〉の2月15日号にね、“イメージの力”ということを書いたんですよ。勉強と遊びを並べたら、みんな勉強は苦しいもの、遊びは楽しいものと考えているけど、それは周りから「勉強は苦くても頑張らなあかんのや」ということを言われてきたことで、いつのまにか意識をそのように育てあげてきたんですよ。それで勉強はイヤなものと思い込んでいるんですよ。勉強は楽しいものやというイメージを植え付けていけば、非常に勉強というものが楽しくなる。中には勉強が楽しいという子がおるかもしれない。そういう子は周りから勉強に対して楽しい条件を与えられてるからです。これはイメージの力です。普段我々の意識のなかには知らず知らずに刷り込まれている部分があるんです。それがひとつのものの見方を決めてしまってる。そこにものを見誤ってしまう、それに縛られた考え方、生き方をしてしまう。そこらのところを取り払っていかなあかん。日頃我々がイメージを常にプラス指向に変えていけば大変なパワーになる。そこらのスイッチを切り替えて、住民活動を活気づけていくことがこれからの活動のなかで提案していければ活性化につながっていくのかな。意欲的に取り組んでいくこと自体が「楽しい」ということになっていかなければ、いやいや何かをするというのはあかんと思う。 金があったら楽しいことができるかいうたらそうやない。今日は休みやし、なあ〜んも考えんと、朝から風呂に入って喰って昼寝でもしよかと、自分がそう決めてそういうことができて心に満足感があれば楽しいですよ。金みたいなもん要らへん。何か金を使こうて飲んで喰って騒いだりすることが“楽しい”ということにしてしまうと、楽しいことに金が要るわけや。決してそうやない。 自然観察いうのは勉強やない、朝お日様が昇るところを見てみようとか、夕日の美しさを見てみようとか、鳥を探して声を聴いてみようとか、何でも自然から受ける楽しみっていろいろあるじゃないですか。ちょっとそこへ視点を向けるか、向けないかだけの話や。楽しいこといっぱいごろごろしてるわけです。ところがそういうことに気づかないで、テレビ見て寝ころんでいたらそれで楽しいんやと思ったら、それも楽しいことは楽しいんやろけど、それだけじゃないですよ。もうちょっと価値のある楽しさ、心に納得のいく楽しさがたくさん転がっているはずです。 昔の遊びは作って遊びますが、今の遊びは使って遊びます。これ全然、質が違うんですよ。昔は竹トンボにしろ、あやとりにしろ、自分で遊び道具を作ったわけですよ。水鉄砲とか。みんな遊ぼうと思ったら道具を作るところから始めたんです。作る過程も苦労はしたけど楽しかった。何でかいうたら、次それを使って遊ぶいうことがあるんやから。それで一生懸命作るわな。うまくできなかったら、何でやろうとまた考えていろんな工夫をする。うまくいけばその嬉しさがあるわけですよ。作ることがプロセスとして位置づいていた。今はそういうプロセスがありません。今の子どもたちの遊びを問題や言うてるだけでもあかんから、昔の遊びをもっと取り入れてみようということです。 |
子どもたちはほんとうに喜ぶんですよ。この前もメンコ遊びにいってきたんですよ。みんな初めて知る体験なんですよ。みんな厚紙でメンコ作ってきとる。作るプロセスを体験しとる。丸がきれいに切れてないけど、自分の作ったメンコは大事にするんですよ。この前はあやとりのひもをみんな持っとるんですよ、そこのグループのおばあちゃんたちが毛糸をちょっと結ぶだけやけど、それが嬉しくて一所懸命やってますよ。普段やらない遊びを体を使って考えながらやるわな。そこが楽しいのやな。それと仲間ですよ、昔の特長はね。昔の遊びはひとりでやってもおもしろくないの。 | ![]() 昔遊びの発表会をする野洲小学校の生徒たち |
─── 役割がありましたね。ガキ大将がいたり、参謀がいたり。 そうそう。陣取りという遊びにしても、鬼ごっこにしても、仲間がいなかったらあかんやろ。そこに仲間意識があったり、泣かされたり、泣かしたり、いろんなごちゃごちゃした仲間であったわけや。そのごちゃごちゃした仲間がとっても忘れられない思い出を作ってくれた。今だったら3人おったって、仲間じゃないんですよ。3人いるという空間があるだけなんですよ。ひとりはゲームをやってる、こっちの子は自分でマンガを読んでる、あっちの子はテレビ。それでは個人でやってるのと同じや、空間そのものは3人いても、響き合う通じ合う空間じゃなくて、ただあるだけの空間です。こういうことも分析してみると問題がある。そういうところから何かにメスを入れて、何かを変えていかなあかん。そこがやりがいのあるおもしろさであるわけやけどね。私がしてきた仕事が教師やから、つい子どもの話になってくるんですよ。 |
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