西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

  ヨシ博物館とは? 
第171回

ぐうたら?農業の西村さん

2006年12月28日 菱川貞義

 「ヨシの二期作」をはじめ、これからの西の湖の環境保全型農業にとって大切な人物のひとりが、「スローでたのしい有機農業コツの科学」という本の著者でもある、京都大学農学博士の西村和雄さんです。

有機農業

 西村さんとはちょっとしたご縁がもとで、4月に一度、西の湖の田んぼや畑を見ていただき、「次は西村さんの畑を見学に行こう」という話になったのですが、半年以上たった11月30日、ようやく、東近江のみなさんと西村さんのご都合をあわせることができ、西村さんのご自宅に伺うことができました。

有機農業

有機農業

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 西村さんは京都の胡麻に住んでおられ、そこで、独自の有機農業を実践されています。見れば、ほとんどほったらかしに見える畑です。しかし、そこには西村さんの科学の知恵がぎっしりつまっていました。

有機農業  西村さんの話によると、これまでにたくさんの来客があったらしいのですが、西村さんの畑を見たとたん、「ゲッ!?」といったきり帰ってしまう方も多いそうです。

有機農業

 「多くの草と共存する」「土に育ててもらう」「収量を2割おとしてやれば、おいしいものができる」「健康な野菜には虫がつかない」など、西村さんのお話しはすごく分かりやすいのですが、分からない人にはどうしても分からないようです。
 畑を見学した後、黒板を使って科学的なコツをお話しいただきました。 
まるで、大学生になった気分です。
有機農業 有機農業
 いま、西村さんの関心事は、「おいしい」です。「どうしたらおいしいのか」「なぜ、おいしいのか」「おいしい作物はどういう姿をしているのか」「どうつくればいいのか」・・・

 現代人が「おいしい」と感じているのは、ひょっとすると、ほとんど食べ物とはほど遠い、とんでもない作物になっているのかもしれません。

 見学からの帰り道。「ほんとうにおいしい、本物の作物を、ヨシ茶などをとおして西の湖から発信したい」と、みなが心のなかで思っているようでした。

     
(つづく)