大谷利男さん
住民活動促進委員会
委員長(野洲町)

第5回 住民活動の拠点づくり
2003年4月3日 畑佐 実
─── 昨年できた新しい野洲図書館では〈ほほえみ情報交流センター〉という住民活動の拠点づくりを進めていますね。〈新図書館を考える会〉も施設の環境づくりに貢献しています。
 住民と住民をつなぐ典型的なのが今の野洲図書館やと思うんですよ。利用率がすごいじゃないですか。今までとは違う新しい価値のある施設を作っていくとぐーっとそこに惹かれていく。あれもまちを活気づけるひとつの方法だと思うんです。それだけのお金をかけてやるわけだから集客力が当然あって良いわけだけど、ああいう施設を通して住民が活気づいてくるこれも大事な要素だと思います。ところがそれはお金がかかることやから「施設作れ」だけではいかんけど、ああいう拠点ができてくるということが活性化のひとつの道やと思う。
野洲図書館
 そのなかで〈ほほえみ情報交流センター〉の運用がもっと活発になってくるようにエネルギーを注いでいくことも〈住民活動促進委員会〉の仕事だと思ってます。我々の仕事とあんまり大げさなことは言えんけど、あそこを活気づけていくひとつのパワーになっていかなあかんのと違うかな。そこで今いちばん問題となっているのが人的な面と時間的な面での運営です。毎週、木曜と日曜午前10時から12時まで当番2人づつがあそこに詰めていますけど、まだそこに行って何をするのかが見えない状況で、それをもっと見えるようにし、動いていけるようにしていかなければいけない。それにしても週2回以上出てくれというとボランティアでやってるので当番の人に非常に負担をかけていくことになります。もうちょっと組織的にきっちりと固めていかなければ〈ほほえみ情報交流センター〉は良い意味でフル回転はしていかないだろうと思います。そこが今いちばん頭の痛いところなんです。

─── 〈住民活動促進委員会〉そのものがひとつの住民団体として運営していく必要があるのではないですか?
ほほえみサロンでは住民団体のポスターが掲示されている。
 難しいのはそこなんですよ。単独の団体とは性格がぜんぜん違いますから。目指すことも違うし、例えば“おはなしの会”なら、子どもたちを対象にして要請があったらどこかの学校へ行くとか、活動がスカッと見えてるわけです。ところが〈住民活動促進委員会〉というのはいろんな団体のいろんな層の人が入り込んでいるわけです。だから他の住民団体とは同じようなレベルで団体と考えることはできない。

─── 異分野の団体が集まることが魅力となって何かできていけたらいいなあと思うのですが。
 行政との関わりもあります。〈ほほえみ情報交流センター〉を完全に民営にしていきたいと考えています。行政は関わらないということです。そうするとあそこの運営については誰がするのかということになると、今のところ〈住民活動促進委員会〉しかないということです。そうすると〈住民活動促進委員会〉をいかに組織だてていくのか、いかに活動を展開していくのか、そこらのところが口では言えるけれども、なかなか姿として見えてこない。姿として作りあげていくことが難しいんですよ。今いちばん議論しているのがそこなんです。野洲町の言い方は公設民営化やと、行政のことを気い使わんとやってください、と。
野洲図書館では住民がまちづくりのために活動できるスペースが設けられている。
 こういうカタチで動いているわな。言うてみると、ここ〈ほほえみ情報交流センター〉もそういうふうひとつの理念でやっていくことは確かやと思う。

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